ビルベリー配合飲料

特許の要約・結論

ビルベリー果実より抽出した、アントシアニジンを25%含有するビルベリーエキスを100ml当たり200~350mg含有する高濃度ビルベリー飲料である、ビルベリー配合飲料およびその製造方法に関するものである。

はじめに

主として、ヨーロッパ等で栽培されてきたビルベリーは、古くから鮮やかな赤色や紫色等いわゆるビルベリー色の色素特性を利用することに多く用いられてきた。
また、近年はその薬効に関する論文(例えば、非特許文献1参照)が発表され、主として、眼精疲労回復、視力回復や血管の透過性等に有効であるとするこの種の研究も進んでいる。

高濃度のビルベリーエキス

また、前記薬効もビルベリーから抽出されたビルベリーエキスの含有量によりその効果が異なり、視力治療、回復や毛細血管の浸透性の低減などには、かなり高濃度のビルベリーエキスが必要であることがわかっている。しかしながら、従来ビルベリーエキスはその溶解度に難があるため、その処方は粉末乃至粉末を固めた錠剤の形で服用されているのが現実である。従って、より服用し易い高濃度アントシアニンを含む液体処方としてのものが強く要求されていた。

一方、ビルベリーエキスは、独特の強い苦みを有しており、しかもその濃度が高ければ高い程その苦み度も増し、これがまた、高濃度アントシアニンの液体服用を妨げる理由の一つでもあった。

従って、従来飲用のためのビルベリー成分、すなわちビルベリーエキスの含有量は、この溶解度と苦み度の点から、その濃度を許容な限りに低下せしめる必要があり、せいぜい100ml当たり60~130mg程度を含有の限度として使用されていた。(例えば、特許文献1参照)

発明が解決しようとする課題

上述のごとく、眼および血管への治療回復等の効果を期待できる高濃度アントシアニンを含む液体処方で、且つ独特の強い苦みを解消した原液を添加されたビルベリー配合の健康乃至趣向飲料が強く求められている。また、上記の効果に加えてビルベリー独特の赤や紫の鮮やかな色彩効果を期待できる飲料が望まれている。

本発明の目的は、上記の要求に鑑み、眼および血管への治療回復効果も期待でき、且つビルベリー独特の強い苦みを解消した、高濃度アントシアニンを含有したビルベリー配合飲料およびその製造法を提供するものである。

本発明のビルベリー配合飲料は、ビルベリー果実より抽出したアントシアニジンを25%含有するビルベリーエキスを100ml当たり200~350mg含有する高濃度ビルベリー飲料である。

発明の効果

高濃度アントシアニン、または高濃度アントシアニンおよびポリフェノールのビルベリーエキスラクト(原液/ビルベリーエキスを100ml当たり200~350mg含有)に、ビルベリー調合香料、糖類、酸味料を加えることによりビルベリー飲料原液とし、該飲料原液を所定量飲料に添加することにより、眼精疲労回復、視力回復や血管の透過性等に有効性も期待し得る、また苦味を抑制し、ビルベリーの特有の香りと旨味を含んだ、ビルベリー配合飲料を提供することができる。

前記酸味料をクエン酸とし、糖類を少なくともブドウ糖、果糖、麦芽糖から選ばれた糖類とし、さらに前記その他の添加物として、少なくともビタミンCを含有させることにより、眼精疲労回復、視力回復や血管の透過性等に有効性も期待し得る、また苦味を抑制し、ビルベリーの特有の香りと旨味を含んだ、健康飲料として最適なビルベリー配合飲料を提供することができる。

【図】ビルベリーの苦みに対する、ビルベリー調合香料、糖類、酸味料による添加効果の試験結果を示す図である。

(苦味官能試験) A:ビルベリー調合香料 B:糖類(果糖・ブドウ糖) C:酸味料(クエン酸)

ビルベリーエキス
含有量[mg/50ml]
A・B・C
添加なし
A・B・C添加(単位:ml)
A:B:C=
8:140:4
A:B:C=
10:160:6
A:B:C=
12:180:8
10
30
50 ×
100 ×
200 ×
300 ×

×:極めて強い苦味
△:かなり苦い
□:若干苦い
◯:ほんのり苦い

【特許文献1】 特開平11-178553号公報(第2頁、左欄2~9行、同右欄43~45行)
【非特許文献1】 Revue de Médicine aéronautique et spatiale No.18
「アントシアニン塩類がパイロットの夜間視力に与える影響についての研究」(訳文)

※特許書4354215号より抜粋、要約。

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